ITを活用したブドウ産業高度化に関する戦略策定

2019年4月22日

 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(東京都港区赤坂、会長:荻原紀男、株式会社豆蔵ホールディングス 代表取締役会長、以下「CSAJ」)は、一般財団法人機械システム振興協会より受託した「ITを活用したブドウ産業高度化に関する戦略策定」事業において、CSAJ内に設置した「戦略策定委員会(委員長:佐藤洋平、一般社団法人フードビジネス推進機構 代表理事)」で、ブドウ産業における標準データフォーマットおよびそれを活用したビジネスモデルを策定し、その結果を報告書にまとめ公表しました。

 本事業で策定した「ブドウ産業における標準データフォーマット」は、データの整理方法から定義され、データモデルとして複合的なデータ(各種センサーから様々な情報や情報提供者が管理している複数のデータベースの内容等)を気象や栽培データにとどまらずに集約し、農業者のみならず加工業者や消費者等の利用目的にあわせた項目で構成されています。また、ブドウ産業にかかわる農業者、ワイン生産者、ワイン流通業社などの関係者よりニーズを調査し、その結果を踏まえ、今回策定した「ブドウ産業における標準データフォーマット」の活用戦略も提案されています。そして、ブドウ産業にかかわる多くの方々に活用いただき、ブドウ産業の高度化につながることを祈念しております。

ITを活用したブドウ産業高度化に関する戦略策定報告書

作 成 一般財団法人機械システム振興協会
委託先 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
目 次 1.事業の目的
2.事業の実施体制
3.事業の内容 
 第1章 標準モデル及び標準データフォーマット原案作成 
 第2章 データ活用戦略
4.事業の成果
5.事業の課題及び今後の展開

※本データは、作成者(一般財団法人機械システム振興協会)の許諾を得て公開しています。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
上記、成果物は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、改変した場合には元の作品と同じCCライセンス(このライセンス)で公開することを主な条件に、営利目的での二次利用も許可されるCCライセンスです。なお、自社内でのみ利用される場合は、クレジット表示も不要です。
ライセンス証 : https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/deed.ja
リーガルコード : https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0/legalcode.ja

ニュースリリース掲載ページ

実施計画

事業実施にあたって

 現在、農業のさらなる発展のためにITの活用が注目されている。すなわち、品種改良のみに頼らず、ITを用いた特別な栽培技術を併用することで模倣を困難にし、農産品の差別化、高付加価値化を実現すること。ITの活用が若手従事者、高齢従事者対策をとして有効であり、労働生産性を向上を期待させることなどである。

 本プロジェクトでは、ブドウ産業が以下に示すようにIT活用にふさわしい環境が整っているため、テーマとして取り上げた。
ブドウ産業においては、生食用、加工品の二方面に用いる上での総合的な高付加価値化のために、IT活用戦略が必要とされており、既に、栽培者、加工業者、研究者などの研究ネットワークや 研究開発プラットフォーム(※) が形成され、各種データが蓄積されており、これらのデータを標準化し、共有する必要性が高まっている。

※農林水産省による研究ネットワークとして、「ICT・AIを活用した次世代のブドウ産業活性化研究ネットワーク」があり、本事業はそのメンバーと協力しながら実施する。なお、当該研究ネットワークは、「健康増進に資する機能性成分豊富野菜」研究開発プラットフォーム、「メロン機能性向上」研究開発プラットフォーム、「ICT・AI活用による高品質ブドウとワイン生産で地域活性化」研究開発プラットフォームと密接に連携して活動している。

 栽培データの標準化とデータの共有化が進めば、ブドウ生産者、ソフトウェア事業者、大学、公的試験所などが、気候条件・栽培条件と作柄との間の因果関係・相関関係についての研究を進め、その研究成果を基に、IT事業者、ブドウ生産者及び関連事業者が連携することで、ブドウ産業の高度化が期待される。

事業の目標

ブドウ産業に関わるデータの標準化とデータの共有化を進め、IT事業者、ブドウ生産者及び関連事業者が連携することで、ブドウ産業の高度化を促進させる。

活動の概要と成果物

Ⅰ.ブドウ産業におけるデータ連携・共有・提供の標準的なモデルの開発

A)データフォーマット及び標準モデルの原案作成
 ・ブドウ産業に関わる育成栽培、生産物の特性や製造・流通過程などのデータフォーマットを策定する。
 ・WAGRI(農業データ連携基盤協議会のデータプラットフォーム)の活用に適合するようなデータ連携・共有・提供方法の標準モデルの原案を作成し、他の関係団体との調整により、これらの普及を目指す。

B)有効性検証実験
 ・上記のデータフォーマット及び標準モデルの有効性検証のため、圃場に設置した環境センサー等のデータを利用した実験を行い、その有効性を検証する。

Ⅱ.ブドウ産業高度化のためのデータ活用戦略の策定

 A)IT事業者、ブドウ生産者及び関連事業者が連携し、データ活用することによるブドウ産業高度化の内容、その社会的・経済的効果をデータ活用戦略として取りまとめる。

 B)利用者ごとに、それぞれの視点を考慮してデータ活用戦略の原案を作成する。

成果の展開・活用方法

  • 「農業ICT研究会」の勉強会やセミナーの開催などを通じて成果物の普及に努める。
  • 農林水産省 産学官連携協議会の方向性を同じくする研究開発プラットフォーム等との間で、事業内容の調整を図る。
  • ブドウ産業に取り組む他団体や農業のIT化に取り組む他団体に対して、事業内容の調整、成果の共有などを提案する。
  • 行政に対して、農業以外にも、産業・観光などの面でのデータ活用を提案し連携する。

ご連絡・お問い合わせ先

一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ) 事務局

〒107-0052 東京都港区赤坂1-3-6 赤坂グレースビル4F
TEL:03-3560-8440/FAX:03-3560-8441
E-mail:grapes_info@saj.or.jp

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