レポート:UXの概念と評価の考え方

2021年2月10日

UX Tech研究会主催

 UX Tech研究会では、これまでUI/UXに関する様々なセミナー等を企画・開催してきましたが、受講者からは、UI/UXの重要性はわかるが、経営層を説得するための材料がない、どの程度の効果があるか不明確で取り組みづらい、といった意見を耳にしました。
 そこで、今回はUXの効果測定をテーマに、UXを専門に研究する安藤 昌也様(千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授)にご講演いただきました。

 初めに田中 啓一主査(日本事務器株式会社 代表取締役社長)から、昨今、エンジニアも経営者もシステムだけでなく、セキュリティ・ネットワークといった技術的側面から、デザイン・心理学など、多岐にわたる知識が必要とされる大変な時代であり、今日の講演によってそのデザイン・UXの評価の一端に触れるという意味で非常に楽しみだ、としてご挨拶いただきました。

 安藤様からは、「UX」と「UXD」の違いと概念についてご説明いただき、UXを生み出すためには体験をデザインすることが重要であるとして、国内で展開する類似アプリを例に、それぞれの特徴と体験の差別化から見えるユーザの違いについて、ご説明いただきました。その後、UXを評価するための指標について、コンセプトテスト・プロトタイプ評価・実体験の3つを上げ、アカデミックな研究内の評価技法についてご紹介いただきました。

 聴講者からは、「UXならびにUX評価に関してまとめていただき今後理解を進める上での取り掛かりができた。」、「UX評価に重要なのは指標改善ではなく、ユーザー体験価値を定め、それの実現に集中する観点が非常に勉強になった。」といった多くの好評の声をいただきました。

 UX Tech研究会では、今後も皆様のビジネスに役立つような、「UI/UX」に関する様々な企画を実施してまいります。

概要

日  時 2021年 1月26日(火) 15:00~16:30
会  場 オンライン(Zoomウェビナー)
当日参加 29社59名

プログラム

15:00~15:05 受講にあたっての留意点
開会挨拶
15:05~16:30

「UXの概念と評価の考え方」

ユーザーの経時的な体験(UX)を重視したものづくりである「UXデザイン」は、今や多くの産業領域に広がり、一般化しつつある。それはさまざまなデザイン手法の整備と実践事例の積み重ねにより、デザイン方法論として確立したことが背景にあります。しかし、UXをいかに計測し評価するかについては、定まった方法がなく、未だアカデミックな分野においても議論され続けています。これは、ユーザーの体験という主観的な印象を、定量的に把握すること自体が難しいからだと言えます。本講演では、UXおよびUXデザインの概念を整理した上で、UXの定量的な計測について最新の研究成果を踏まえ、わかりやすく解説していただきました。

講師概要

安藤 昌也(あんどう まさや)氏
千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。大手システム開発会社、経営コンサルティング会社取締役、国立情報学研究所特任研究員、産業技術大学院大学助教、千葉工業大学工学部デザイン科学科准教授、教授を経て、2016年より現職。総合研究大学院大学文化科学研究科メディア社会文化専攻博士後期課程修了。博士(学術)。ユーザーエクスペリエンス及びUXデザイン、人間中心設計の教育・研究に従事するとともに、企業とのUXデザインに関するプロジェクトを多数手がける。ヒューマンインタフェース学会論文賞・研究会賞、 関東工学教育協会賞など受賞。主著に『UXデザインの教科書』丸善出版(2016)などがある。
田中主査ご挨拶の様子1
安藤氏ご講演の様子1
安藤氏ご講演の様子2
安藤氏ご講演の様子3

会員向けビデオアーカイブ

 CSAJでは、セミナー当日に受講できなかった方、受講後に社内への情報共有として活用したい方向けに、アーカイブページ(会員限定)をご用意しています。
 今回のセミナーも、ビデオアーカイブと当日資料データが掲載されていますので、ぜひご覧ください。

https://www.csaj.jp/NEWS/member/video/index.html

本件に関する問合せ

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
担当:若生・鼡田(ねずみた)
E-mail:gyoumu1@csaj.jp

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