エグゼクティブセミナー in 新潟 ~DX時代と地域の未来~ 終了報告
2024年8月22日
令和6年7月12日(金)~7月13日(土)の2日間、SAJ会員の経営者・管理者層を中心とした「エグゼクティブセミナー in 新潟 ~ DX時代と地域の未来 ~」が、新潟県新潟市の開志専門職大学、新潟大学で開催されました。SAJから総勢48社・団体/57名が参加し、大変盛況な中、無事終了しました。
参加企業
<SAJ側48社・団体/57名、企業名五十音順>
AXLBIT株式会社、アップデータ株式会社、アルファテック・ソリューションズ株式会社、anbx株式会社、イナゾウ株式会社、株式会社インフォテック・サーブ、株式会社ヴァル研究所、株式会社ウチダ人材開発センタ、株式会社エスペシャリィ、株式会社オービックビジネスコンサルタント、株式会社オープンストリームホールディングス、オデッセイヒューマンシステム株式会社、株式会社キャップインフォ、クオリティソフト株式会社、株式会社グリーンキャット、株式会社クリエイション、公認会計士水谷学事務所、株式会社コスモ・コンピューティングシステム、サイエンスパーク株式会社、サイオステクノロジー株式会社、さくらインターネット株式会社、株式会社シービーラボ、スターティアレイズ株式会社、株式会社ストラテジット、セイ・テクノロジーズ株式会社、センターフィールド株式会社、創研情報株式会社、株式会社大和コンピューター、データ・タング株式会社、東京システムハウス株式会社、日本ITソフトウェア企業年金基金、株式会社日本ソフトウェアブレイン、ネクストウェア株式会社、株式会社ネクストスケープ、株式会社ネクストビジョン、株式会社バーズ情報科学研究所、株式会社Harness LLP、パイオネット・ソフト株式会社、ハイネスソリューションズ株式会社、株式会社パスカリア、株式会社batton、株式会社ピーエスシー、ピー・シー・エー株式会社、株式会社BluePort、フルタニ産業株式会社、株式会社豆蔵K2TOPホールディングス、株式会社ラネクシー、一般社団法人ソフトウェア協会
プログラム
令和6年7月12日(金) | ||
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10:30 | ●集合場所:新潟駅南口 貸切バスで開志専門職大学へ移動 |
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10:40~10:45 | 新潟駅出発<バスで移動> | |
10:45 | 開志専門職大学 情報学部着 | |
11:00~13:45 | 11:00~11:50 |
●挨拶、大学紹介 1.挨拶 |
11:55~12:40 | ●構内視察<3班に分かれて15分ずつ> -米山キャンパス1階ロビー -開志未来創造研究センター -KAISHI LAB |
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12:45~13:30 | ●昼食等 1.昼食 2.SAJ会長 田中邦裕 講演 「皆さんはどのような会社で働きたいですか?」(質疑応答) <会場:1階ロビー> |
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13:30~13:35 | 集合写真 | |
13:45~14:30 | 開志専門職大学出発<バスで移動> | |
14:30 | 新潟大学 工学部着 | |
14:30~17:50 | 14:30~14:37 | ●挨拶 ・阿部 和久様 (新潟大学副学長(社会連携担当)・工学部工学科社会基盤工学プログラム教授) ・SAJ会長 田中邦裕 <工学部大講義室> |
14:37~16:10 |
●大学・SAJ紹介・学生との意見交換会 2. 新潟大学ビッグデータアクティベーション研究センター紹介 3. 「皆さんはどのような会社で働きたいですか?」 4. SAJと新潟大学学生との意見交換 |
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16:20~17:45 |
●新潟市紹介、構内視察 2.構内視察<3班に分かれて15分ずつ> |
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17:45~17:50 | 集合写真 | |
17:50~18:30 | 新潟大学出発<バスで移動> | |
18:30 |
万代シルバーホテル着 各自チェックイン、懇親会まで休憩 〒950-8533 新潟県新潟市中央区万代1-3-30 TEL:025-243-3711 |
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19:00 |
●懇親会 於:5階 宴会場「昭和の間」 |
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20:30 | 中締め・解散 |
7月12日(金)
開志専門職大学 訪問:セミナーの開催
開志専門職大学は、55年ぶりの国の法改正で2019年4月に誕生した新しい大学制度の「専門職大学」であり、特定の職業のプロフェッショナルになるために必要な知識・理論、そして実践的なスキルの両方を身に付けることができる大学です。
専門職大学は、大学制度の中に、実践的な職業教育に重点を置いた仕組みとして制度化するものであり、産業界との密接な連携により専門職業人材の養成強化を図り、また、大学への進学希望者にとっても選択肢が広がる制度となっています。
大学到着後、1階ロビーにて、開志専門職大学 副学長兼情報学部長 三上喜貴様、SAJ 田中邦裕会長(以後、田中会長)よりご挨拶いただき、その後、「開志専門職大学の取り組み」と「開志専門職大学様の企業実習」についてご説明いただきました。
その後、構内視察が行われ、昼食のお弁当を食べながら学生の皆さんと交流しました。
開志専門職大学の取り組みについて
開志専門職大学 情報学部教授 磯西徹明様より大学の取り組みについてご紹介いただきました。開志専門職大学は、2020年4月に開学した日本で唯一の総合専門職大学で、事業創造学部、情報学部、全国的にも珍しいアニメ・マンガ学部が設置されています。
専門職大学という大学制度は、2019年度に文科省が設置した新しい制度で、特徴として、実務家教員4割以上(開志専門職大学は5割以上在籍)、600時間以上の超・長期企業実習、実習実技が授業の3分の1以上を占める点などがあります。開志専門職大学では今年の春に一期生が卒業し、システムインテグレーターや商社、メーカー、製造等に就職し、内定率は100%でした。中でも実習先への内定率が21%と実習に行った企業への内定が多く、学生からは「企業実習があったからこそ希望どおりの企業に就職ができた」という声が多く聞かれるとのことでした。
情報学部のカリキュラムは1~4年の間に、臨地実務実習が2回行われ、その他展開科目として、キャリアデザインやマーケティング、デザイン・シンキング等の授業、また、実務家教員による実習科目として、マシンラーニング・生成AI実習やクラウドプラットフォーム実習なども行われています。
自分の頭で考え、アウトプットする経験を増やし、ものづくりの達成感を味わうため、グループで要件定義書を書き、要件を満たす情報システムを開発する課題もあり、IoT実習の最終課題として臨地実務実習を通して得られた学びや成果を総括したポスターセッションも行っているとご説明をいただきました。
開志専門職大学の企業実習について
開志専門職大学 情報学部教授 堀川桂太郎様より臨地実務実習の取り組みについてご紹介いただきました。大学の取り組みの柱である臨地実務実習は、2年生で1か月、3年生で3ヵ月の期間実施し、地元の企業等で、実際に現場で実務に触れて学ぶ仕事統合教育(Work Integrated Learning,企業でいうOJT)を行っています。
臨地実務実習のメリットとして、業界ニーズを知る、体験・失敗を振り返ることから必要なスキルを伸ばすことができる、達成感や自己効力感を得ることができる、就職面談で業務経験・実績をアピールできる等があり、一方、デメリットとして、準備が不十分、対人スキル・失敗への耐性が未熟、学生と環境と人間とミスマッチがありえる等が挙げられます。
実習を受け入れる企業からすると、人手不足の中、人的資源の確保ができる、今時の学生の考えや感性がわかる、どうすれば学生が企業に興味を持ってくれるか等実習先の企業が抱えている課題の解決のきっかけとなる等が挙げられ、学生、企業、大学にとって利益が最大化することを目標に行っているとのご説明をいただきました。
開志専門職大学の構内視察
構内視察では、3グループに分かれて、米山キャンパス1階ロビー、開志未来創造研究センター、KAISHI LABを視察しました。
米山キャンパス1階ロビーでは、IoT実習の課題で実際に学生の皆さんが制作したポスターセッションのポスター等についてご説明いただきました。情報技術活用の新たな企画構想やデータ解析など学生の皆さんが自由に研究でき、産学連携共同開発の拠点としても活用されている開志未来創造研究センターでは、デジタル地球儀やVR端末など最先端技術を駆使した機器を見学させていただきました。7階にあるKAISHI LABは、学生同士がアイディアを出し合って、考え、やりたいモノやコトを実現できる施設となっており「好きなこと」を学ぶ研究室とのことで、3Dプリンターやレーザーカッターなどアイディアを実現するための各種工作機械等を見学しました。
昼食、学生との交流
視察後、学生の皆さん25名にご参加いただき、昼食のお弁当を食べました。参加企業から学生の皆さんに、授業の内容や就職状況等について質問をしたり、学生の皆さんからは仕事の楽しさやIT企業への就職について質問する等、盛んなコミュニケーションが行われていました。昼食後、田中会長より「皆さんはどのような会社で働きたいですか?」というテーマで講演が行われ、学生の皆さんは真剣な表情で聞き入っていました。
新潟大学 訪問:セミナーの開催
新潟大学は、10学部をもつ本州日本海側最大の総合大学です(教職員数:約3,200人、学生数:約12,000人)。工学部のある五十嵐キャンパスは、緑ゆたかで広大な敷地をもち、そこには医学部・歯学部を除く8つの学部、大学院、その他多くの施設があり、学部を超えた学生交流、研究交流がさかんに行われています。
大学到着後、工学部大講義室にて、新潟大学副学長(社会連携担当)・工学部工学科社会基盤工学プログラム教授 阿部 和久様、SAJ 田中会長よりご挨拶いただき、その後「新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラムの取り組み」、「新潟大学ビッグデータアクティベーション研究センター」についてご紹介いただきました。その後、新潟大学の学生約40名とともに、田中会長がモデレータとなって、パネルディスカッションが行われ、学生の皆さんとの意見交換会も行われました。
新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラムの取り組みについて
新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラム長 阿部 貴志様より新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラムの取り組みについてご紹介いただきました。
知能情報システムプログラムでは、知能情報システムと地球・人間・社会との関わり合いの中で生じる様々な課題を解決するために、知能情報システム分野の知識を幅広く身につけ、グローバルに様々な領域で活躍できる人材を養成しています。1年次では、工学全般の基礎科目を学び、2年次はソフトウェアやネットワーク等の基礎的な専門科目、3年次は人工知能等の応用科目、4年次は研究室に所属し、卒業論文をまとめるというカリキュラムをはじめ、ネットワーク基礎等の情報工学の応用技術とマイクロコンピュータ等の情報関連技術を実験演習を通じて経験する「知能情報システム実験」、また、大学におけるデジタル人材育成に係る構想等についてご説明いただきました。
新潟大学 ビッグデータアクティベーション研究センターについて
続いて、新潟大学工学部工学科知能情報システムプログラム長 (兼 ビッグデータアクティベーション研究センター副センター長)阿部 貴志様より、新潟大学ビッグデータアクティベーション研究センターについてご紹介いただきました。
ビッグデータアクティベーション研究センターは、2017年に学内のコア・ステーションとして始動し、分野横断研究で新たな知識や価値を創出し、学外の企業や自治体とも連携し、AI・データサイエンス・IoTの基盤強化を目的に立ち上げた研究センターです。研究センターは多くの大学に設置されていますが、新潟大学はデータ中心科学を基盤としているところが特徴であり、まずはデータをどう生かしていくかという観点で色々な分野と連携して成果を挙げていくことを目的としています。
取り組みとしては「分野融合研究」「人材育成」「産学・地域連携」の3点あり、取り組みの一環として、Jetson夏季実習や若手データサイエンティストコロキウム、最近は、「学生AIチャレンジコラボ」を始動し、デジタル技術の社会実装や外部のコンテストへの参加を目指していること等をご説明いただきました。
学生との交流
続いて、「皆さんはどのような会社で働きたいですか?~楽しい仕事・会社・社会を作ること~」と題したパネルディスカッションと学生(約40名)との意見交換会を行いました。はじめに、モデレータの田中会長より、SAJの概要をご紹介するとともに、田中会長自身が高専出身で高専時代にさくらインターネットを起業した経緯やAIやIoTなどの技術を活用しつつ、人間の幸福と環境の持続可能性を優先することを目指す「インダストリー5.0」に時代が突入していること等、業界の動向を学生の皆さんに紹介しました。
続いて、パネリストの小川 敦理事、大森 謙治理事、加藤 史恵理事、桑鶴 大也理事、長谷川 章博理事より、それぞれ自己紹介が行われ、起業した理由や社長になった経緯についてなどお話しいただきました。
意見交換では、まずは、事前に学生の皆さんから寄せられたIT業界についてや求められるスキル、ソフトウェアに関する質問に対して、パネリストから回答され、続いて、参加企業から事前に寄せられた質問に対して、学生の方々に回答いただきました。また、その場でも学生の皆さんからの質問を受け、学生の皆様とSAJ双方にとって大変有益な時間となりました。
新潟市及び県の取り組み説明
続いて、計算機演習室に移動し、新潟市経済部企業誘致課 課長 宇治 麻貴様より新潟市及び県の取り組みについてご紹介いただきました。新潟市は、交通インフラが整っており首都圏から近いことや人件費、賃料の低さ、補助制度が手厚いことから、企業立地数は令和元年以降伸びており、IT企業の進出も多いそうです。また、市内には大学や専門大学が多く人材が豊富なことから、東京に比べ採用がしやすく、給料も東京に比べ安価で採用できるとのことです。
立地に係る支援制度についても、新潟県と新潟市の制度を併用でき、政令指令都市の中ではトップクラスの支援を受けられるとのことで、新潟市への企業立地のメリットをお伝えいただきました。
新潟大学の構内視察
続いて、構内視察では3グループに分かれて「今村孝研究室」、「山田寛喜研究室」、「萩原威志研究室」を視察しました。
「今村孝研究室」では、「移動」をテーマに研究しており、例えば、交通事故減少・安全な自動車運転を目指して、画像検知によるドライバーの行動計測や道の形状等によるドライバーストレスを心拍や血液を計測することで図る等の分析を行っているとのことです。また、高齢者福祉支援を目的として研究している、車椅子の鉄道車両乗降機能の評価や装着型歩行支援機構の設計開発についてもご説明をいただきました。
「山田寛喜研究室」では、アンテナを複数並べて1つのアンテナのように使う「アレーアンテナ」を用いた信号処理を研究しており、MIMOレーダ(Multiple-Input Multiple Output)の実験を行う電波暗室を見学させていただきました。
「萩原威志研究室」では、工学部演算室を紹介いただきました。UNIX系OSでのリテラシ教育・プログラミング教育を中心とした実験・演習で利用しており、演習設備やソフトウェアシステムについてご説明いただきました。
懇親会
会場:万代シルバーホテル 5階宴会場「昭和の間」
〒950-8533 新潟県新潟市中央区万代1-3-30
懇親会は、宿泊先のホテル「万代シルバーホテル」の宴会場にて行われました。
はじめに、今回の視察に多大なるご協力をいただいた開志専門職大学、新潟大学様、新潟市様のご来賓を紹介し、新潟市 経済部長 小野秀之様よりご挨拶を頂き、田中会長による開会挨拶と乾杯のご発声で宴が始まりました。
総勢67名の皆様にご参加いただき、新潟の地元食材など旬の食材を使った料理の数々を楽しみながら、皆さま積極的に交流されていました。中締めは、鈴木 正之筆頭副会長による三本締めが行われ、大盛況のうちに終了しました。
7月13日(土)
翌7月13日は、「県内視察」、「親睦コンペ」の2つのコースに分かれてオプションが開催されました。
オプション1:県内視察コース
県内視察コースには4社・団体4名が参加し、新潟県随一のパワースポットといわれている彌彦神社や良寛が約20年過ごした五合庵を有する国上寺を視察しました。昼食は、海辺のカフェレストランで地元のシーフードを使用した食事を楽しみ、昼食後に「魚のアメ横」と呼ばれ海産物市場が並ぶ寺泊アメヤ横丁で、地元の漁港で揚がる生鮮品などのお土産を購入しました。
オプション2:親睦コンペコース
場所 紫雲ゴルフ倶楽部 加治川コース OUT・INコース
〒957-0236 新潟県新発田市元郷211
親睦コンペコースには38社・団体45名が参加しました。当日は、お天気にも恵まれ、参加者の皆さまは日頃の腕前を発揮されていました。
終わりに
最後に、「エグゼクティブセミナー in 新潟」にご参加いただきました皆様には、多大なるご協力をいただき誠にありがとうございました。お陰様で2日間、無事に終了できましたことをあらためて感謝申し上げます。
なお、SAJでは来年度も「エグゼクティブセミナー(場所:未定)」を企画する予定ですので、ぜひともご参加いただけますようお願い申し上げます。(事務局:井上・土井)
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