ICT教育現場見学会終了報告

2016年7月15日

東京都江戸川区の公立小中学校でのICT教育を見学

平成28年6月22日、ICT教育研究会(主査:保坂 政仁 株式会社楽堂)は、東京都江戸川区にある「江戸川区立東葛西小学校」と「江戸川区立東葛西中学校」で行われているICT教育の現場を視察しました。

東葛西小学校での取り組み

当日はパソコン用教室で行われた国語の授業を見学しました。「森林のはたらきと健康」について、今回はパソコンを使って

  • 森林の緑と健康
  • 森林のきれいな空気と健康
  • 森林のすずしさと健康
  • 森林のしずけさと健康

について情報を集めるというものでした。情報を集める際に

  • 出展を明らかにする
  • 根拠となる情報を見つける
  • ゴールを見据えて調べる

ことに気をつけ、最終的には画用紙4枚程度にまとめ、5分間程度の発表を行うそうです。ちなみに、キーワードは「説得力」と「わかり易さ」とのこと。

PCは一人1台
調べものには「Yahooきっず」を使う
躓いている生徒には先生が直接指導
調べた結果を「班」同士でディスカッション

授業の内容から社会科の授業と思って見学していましたが、実は国語の授業だったことが判明して驚きました。自分が同年齢だったときの国語の授業とは様変わりしていて、「コミュニケーション利欲」、「分析力」、「プレゼンテーション力」を育てるような、そんな感じの内容でした。少し羨ましいと思いつつ、今どきの子供たちは大変だなと、そんなことも思いました。

全体を見渡していて、子どもたちの間で若干リテラシーの差を感じるところもありました。当日応対いただいた佐藤友信校長によると、「家庭で日常的にPCに触れる環境にあるか否かが、差に表れている」とのことでした。また、パソコンを使った授業に対しての生徒たちの反応は、「集中力が高く、授業として熱心に取り組んでいる」そうです。 

PCを使った授業はあくまでも手段であり、図書室の拡充に力を入れている同校としては、次は「図書室の書物を使って調べものをする」授業も行うとしていました。佐藤校長先生の理想とすれば、タブレットPCを持って、図書室で自由に生徒たちが調べものができることだそうです。

東葛西中学校の場合

東葛西小学校から500mほどの距離にある東葛西中学校。本来はPC教室を見学するだけだったのですが、ちょうど技術家庭科の授業があるとのことでしたので、授業の様子も見学させていただきました。

授業で作る工作物の選定がメインであり、その選定待ちの最中にPCを使ってタイピングの練習、または近々課外授業の行先を調べるのPCを使った程度ですので、小学校の授業とは単純に比較できませんが、小学校から中学校への連続性が感じられなかったのは、現状として仕方のないことなのかなと思いました。

ノートPCに有線LAN接続でした
課外授業の行先を検索
タイピング練習をする生徒
生徒がどんな画面を開いているかを先生はリアルタイムでモニタリング

最後に

両校ともICT教育のモデル校ではなく、ごく普通の小中学校でした。そういった普通の小中学校で、ICT教育が実際どのように使われているのか、非常に興味を持っていきました。個人的には想像以上に進んでいるように思われました。ただし、普通といっても、これが全国平均かどうかとなると、それこそ同じ自治体内でも異なるようなので、同様な水準の授業が全国レベルで行われることを期待したいです。同様に、IT業界として手伝えることは何かを考えさせられる見学会でもありました。

当日お忙しいところ、ご対応いただきました東葛西小学校佐藤校長先生、東葛西中学校川崎校長先生、そして教育委員会などと調整して見学会をコーディネイトしていただいた保坂主査に対して、厚く御礼を申し上げます。

お問い合わせ

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)
事務局 小林 E-mail:gyoumu1@csaj.jp
TEL:03-3560-8440

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