レポート【SDGs×農業】なぜ今「農業」なのか?
異業種参入事例とその効果

2021年6月17日

農業ICT研究会主催

農業ICT研究会では、農業ICTによる地方創生やライフワークバランスへの可能性を調査・研究し、新たなビジネスチャンスの創出や、ワーケーション・兼業といったニューノーマルな働き方を検討するため、情報提供を行っています。

今回は異業種法人の農業参入をテーマに、なぜ農業ビジネスを開始したのか、これまでの取り組みや参入後の障壁・課題、さらにニューノーマルな働き方など、大手企業の事例をご紹介いただきました。

1つ目のセッションは金融業の農業参入事例として、株式会社三井住友銀行様に、SMBCグループのこれまでの農業の取組みとして、「みらい共創ファーム秋田」の稲作と玉ねぎ事業について、そして、SMBCが今後農業分野で目指す姿についてご説明いただきました。
また、グループ会社である株式会社日本総合研究所様からは、次世代農業ロボット開発経緯と実証、さらに日本総研が立ち上げたプロジェクト“V-farmers(Virtual farmers)”による、新規就農者への、「作るワザ」「売るワザ」の両面でバーチャルでサポートする仕組みを形成している点について、ご説明頂きました。

2つ目のセッションでは、株式会社JTB様から、地方創生を目的に、JAグループのパートナー企業として、生産者様へ農業労働力を提供する取り組みやアグリワーケーションの可能性についてご紹介いただきました。

聴講者からは、「定年退職の年齢が上がる中、IT業界としても長く働ける環境構築が急務だと思っていますので、参考になりました。」、「銀行やJTBといった企業が農業にどういった取り組みを考えているのかを知れました。」といった好評の声が寄せられました。

概要

日時 2021年 5月25日(火) 15:00~16:30
会場 オンライン(Zoomウェビナー)
対象 CSAJ会員・JAISA会員限定
参加 28社41名

プログラム

時間 内容
15:00~15:05 事前連絡・開催挨拶
15:05~15:35

SMBCグループの農業分野の取組みについて
講師:小野寺 友基 氏(株式会社三井住友銀行 ホールセール統括部 サステナブルビジネス推進室・室長代理)
   前田 佳栄 氏(株式会社日本総合研究所 創発戦略センター・コンサルタント)

SMBCグループでは、農業の成長産業化に向け、自ら農業法人や次世代農業ロボットの事業会社の設立に取組んで参りました。当日は、SMBCグループのこれまでの農業の取組みと、これからの農業についてのオピニオンをご説明頂きました。

15:35~16:30

JTB × JAグループ 「農業労働力支援事業」を通じた「農業」と「地域の活性化」に向けた取組み ~農業を基軸に地域課題・企業課題の解決に向けて~
講師:波多 哲也 氏(株式会社JTB 虎ノ門第一事業部 営業担当部長)
   白川 雄一 氏(株式会社JTB 新宿第一事業部 営業担当課長)

JTBはJAグループ様のパートナー企業として「農作業」を受託し、生産者様へ農業労働力を提供する取り組みを行っています。
地域の観光事業者を中心に、JTBの取引パートナーなどから安定した労働力を提供し、農業労働力支援事業をフックに、その他地域社会課題解決し地方創生に貢献するとともに、アグリワーケーションにも着目し、ワーケーションの効果を科学的見地から分析、定量的なデータをエビデンスとして示し、企業への導入を後押ししています。
当日は地域課題・企業課題の双方を解決するアグリワーケーションの可能性についてお話し頂きました。

講師略歴

講師略歴

小野寺 友基 氏
(株式会社三井住友銀行 ホールセール統括部 サステナブルビジネス推進室 室長代理)

2009年三井住友銀行に入行。2016年ファイナンシャルソリューション営業部(新規業務開発)。2017年三井住友銀行が中心に設立した農業法人「みらい共創ファーム秋田」へ出向(2017年4月~2018年10月)、2018年成長産業クラスター(農業関連新規業務開発)、2020年より現職。

前田 佳栄 氏
(株式会社日本総合研究所 創発戦略センター・コンサルタント)

富山県南砺市出身。東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修士課程修了(研究科長賞受賞、農学生命科学研究科総代)。(株)日本総合研究所 創発戦略センター農業チーム所属。
醸造ぶどう栽培におけるスマート農業一貫体系の確立に関する実証、東南アジアにおける日本式農業の事業化可能性検討などのプロジェクトに従事するほか、農業分野での気候変動適応策についての研究及び政策提言を実施。
・主な著書
「図解よくわかるスマート農業-デジタル化が実現する儲かる農業-」(2020年3月)

波多 哲也 氏
(株式会社JTB 虎ノ門第一事業部 営業担当部長)

1991年株式会社ジェイティービー入社。企業、学校MKTを中心とした「MICE」事業に精通。本社経営企画課長としてJTB分社化事業に従事。2013年~、バンコク支店事業部長として、タイ法人企業と連携したアウトバンド事業、日本の各自治体と連携し、訪日タイ人プロモーションを統括。2016年~熊谷支店長として、地域交流事業、ラグビーワールドカップ熊谷会場における観客輸送業務を経験。2020年~現職統括責任者として「JTB×JA農業労働力支援事業」を立ち上げ、今年度業務連携協定を締結し事業推進中。

白川 雄一氏
(株式会社JTB 新宿第一事業部 営業担当課長)

2001年、株式会社ジェイティービー(現JTB)入社。横須賀支店に配属後、法人営業に従事。2019年4月新宿第一事業部営業担当課長に着任し現職。2019年よりワーケーションプロジェクトに参画し、地域でのワーケーションのプログラムの開発や事業支援、企業への導入支援を行う。


中村主査ご挨拶の様子
小野寺様ご講演の様子
前田様ご講演の様子
波多様ご講演の様子
白川様ご講演の様子

メンバー募集

農業ICT研究会ではメンバーを募集しております。
当研究会の活動に関心を持たれた方は、以下URLよりぜひご覧下さい。

https://www.csaj.jp/committee/technical/agriict.html

お問い合わせ

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)
事務局 若生 お問い合わせフォーム

PAGE TOP