ニューヨークだより 2018年1月
「世界第二の起業都市(スタートアップ・シティ)に変貌したニューヨーク」

2018年2月2日

省庁・団体名

JETRO/IPA NewYork

内容

(2017年10月号(https://www.ipa.go.jp/files/000062300.pdf)のニューヨークについての深堀になります。)

 ニューヨーク市(NYC) は、近年、同市経済の多様化を目指したブルームバーグ前市長のイニシアティブや金融危機を契機に「スタートアップ・エコシステム」が構築され、シリコンバレーに次ぐ世界第二の起業都市(スタートアップ・シティ)に変貌しました。
 シリコンバレーの著名な起業家であるSteve Blank氏は「意識的に設計されたスタートアップ・シティは、ニューヨーク、北京、テルアビブ(イスラエル)である」と述べています。
 また、ブルームバーグ市長の下、Managing DirectorとしてNYC産業の戦略とSWOT分析の責任者であった現プリンストン大学客員教授のSteve Strauss氏は「NYCの役割は触媒であったが、金融サービスに依拠した産業構造から多様化を目指したことの一環として行われた、スタートアップ、ベンチャー・キャピタリスト、大学、企業等の関係者を繋ぐネットワークイベントやNYCの交通等に関するビッグ・データを活用する政策コンテストが、スタートアップ・エコシステムの構築につながった。」と述べています(加えて、Cornell Tech(コーネル大学とイスラエル工科大学のパートナーシップ大学院)のNYCへの誘致が人材供給源の確保・多様化等の観点から長期的に非常に大きいと述べています。)。
 ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)現市長もブルームバーグ前市長が掲げたデジタル産業振興を引き継いでおり、"New York Works"という、サイバーセキュリティ、ライフサイエンス・ヘルスケア、製造業、文化関連を注力分野とした雇用イニシアティブを掲げています。
 また、NYCは「Global Business Exchange」(GBX)という、それぞれのスタートアップが相手都市に6ヶ月間滞在しグローバル経験を積むというパートナーシップ(これまでパリ市とミラノ市と実施)を進め、グローバルネットワークの拡大を試みています。
 NYCと日本との関係では、東京都による女性スタートアップ海外派遣プログラム(2018年1月下旬の第1期生の派遣先がNYC )やPeatix Japan社によるNYCスタートアップ視察・体験ツアー、ニューヨーク生まれのWeWork社の東京でのワーキング・スペースの開設が予定されているなど、交流の芽が出始めており、NYCを拠点に日本のスタートアップの米国進出支援を手がけているRising Startups 代表の奥西正人氏は 「3年前に立ち上げた”Japan NYC Startups”は現在1,800名以上が登録されるグループになり、最近、シリコンバレー以外の起業都市としてNYCを訪問される方が増えている。」と述べています。
 こうしたNYCに係る経験や取組が、日本の各都市がグローバルネットワークの中での自らの位置づけ、戦略を考える上で参考となることを期待します。

詳細

お問い合わせ

Kiyoshi Nakazawa (中沢潔)
JETRO New York (Representative office of IPA)
565 Fifth Avenue, 4th Floor, New York, NY 10017
TEL: +1-212-997-0401 / FAX: +1-212-997-0464

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