ニューヨークだより 2017年11月
「米国におけるサイバー保険の現状」
2017年12月1日
省庁・団体名
JETRO/IPA NewYork
内容
2015年における世界のサイバー保険の市場規模は17億ドル(年間の総計上保険料 ベース)で、米国の市場規模はその90%(15億ドル)を占める世界最大のサイバー保険市場です(日本は2015年度に136億円。)。米国企業全体におけるサイ バー保険の加入率は20~35%にとどまっています(日本の加入率は2割に満たな い。)。業界別では、ヘルスケア、教育分野の企業の加入率が40~50%で高率となっており、金融、小売業界がそれに続きます。今後は、製造、エネルギー業界においてもサイバー保険への加入が大幅に増加するとの見通しを示しており、米 国のサイバー保険市場は2020年までに年間保険料収入ベースで56億ドル規模に成長すると予測されています。
米国土安全保障省(DHS)による企業のサイバーリスクをより正確に評価するための実質的なデータの保険会社への提供、連邦政府に重要インフラへのサイバーインシデントに備えるサイバー保険プログラムの新設を求める声等の動きも併せて報告します。
日本においても、業種や売上高、補償限度額などによって変化する保険料に対する投資対効果が不明瞭であることが企業におけるサイバー保険の普及の妨げになっている要因の一つに挙げられており、企業がサイバーリスク評価やサイバー被害によるコスト推定を適切に行える環境を整えることが重要であると考えられます。
詳細
(参考)「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」(改訂)
(番外編)Healthcare Security Summit: New York City (2017/11/14-15)
お問い合わせ
Kiyoshi Nakazawa (中沢潔)
JETRO New York (Representative office of IPA)
565 Fifth Avenue, 4th Floor, New York, NY 10017
TEL: +1-212-997-0401 / FAX: +1-212-997-0464