デジタルアーカイブの利活用促進のための国際標準の検討が始まります
~デジタルアーカイブ「コピーして使っていいの?」に答える標準化~
2017年4月10日
省庁・団体名
経済産業省
概要
国際標準化機構(ISO)において、我が国から国際標準化提案した「デジタルアーカイブにおける権利情報の記述と表示」が新業務項目提案(NP)として承認されました。
本提案は、デジタルアーカイブの権利情報に関する記載内容と記載位置を定める国際標準を開発するものであり、我が国の財産であるデジタルアーカイブの国際的利用促進に貢献するものと期待されます。
内容
1.提案の目的・背景
デジタルアーカイブは、博物館、図書館、公文書館、その他の組織が知的資産をデジタル化し、インターネット上で公開し利用させる仕組みであり、日本では、国立国会図書館の「国立国会図書館デジタルコレクション」や国立公文書館の「国立公文書館デジタルアーカイブ」など多くのサービスが存在しています。
これらは、単に文化的資産の記録だけではなく、日本の文化を世界へ発進していくことにも活用されています。
現状の課題として、デジタルアーカイブの権利情報(データのコピーや転載等)について、通常ウェブサイトに記載されていますが、記載内容やその表示場所がウェブサイト毎に異なっており、二次利用者にとって探しづらく、デジタルアーカイブの利用の弊害となっています。
この状況を改善するために、今般、我が国からISOに、どのような権利情報をどこに表示するか等の指針を規定する規格開発を提案し、平成29年1月に承認されました。
2.提案の内容
今回、日本から提案している指針案の主なポイントは以下の通りです。
1) 全般的権利情報の表示
Webサイトのトップページに、(デジタルアーカイブ全体として著作権なし、一部著作権あり、といった)全般的な権利情報を表示するか又は全般的な権利情報へのリンクを表示する。
2) 詳細権利情報の表示
個別の資料を表示するページには、当該デジタル資料の著作権情報、利用条件、その他の法的権利などの詳細な権利情報を表示するか、又は詳細な権利情報へのリンクを表示する。
3) 利用許諾申込みフォーム
利用条件で、権利者の許諾を必要とする場合は、利用条件の詳細表示画面に利用許諾申込みフォームへのリンクを表示する。
3.期待される効果
今後、この日本提案を元にした国際規格が発行されれば、利用者が権利情報をより簡易に確認できるようになり、デジタルアーカイブの二次利用の活性化、コンテンツの広範な流通の活発化に繋がると期待されます。デジタルアーカイブの提供者側にとっても、システム開発やデータ管理とサービス運用のコストを下げ、不適正な利用を減らす効果が期待されます。
また、デジタルアーカイブの二次利用の活性化は、さまざまな情報・コンテンツを組み合わせた新たなサービスを生み出す可能性を持っています。
さらに、我が国のデジタルアーカイブがより広く国際的に利用されていくことによって、これら日本の文化的資産が、より広く国際的に認められ、日本文化のブランド価値を高め、ソフトパワーの向上につながっていくことが期待されます。
担当
産業技術環境局 国際電気標準課長 森田
担当者:田場、小出
電話:03-3501-1511(内線3428~9)
03-3501-9287(直通)
03-3580-8631(FAX)
公表日
平成29年3月30日(木)