経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課長 年頭所感
2016年1月1日
平成28年 年頭所感
経済産業省商務情報政策局情報処理振興課
課 長 渡邊 昇治
平成28年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお祝いを申し上げます。
昨年は、IoT、ビッグデータ、人工知能といった技術革新により、産業・社会全体の進展を実感する一年でした。
経済指標をみても、アベノミクスによって、企業収益は過去最高、有効求人倍率は23年ぶりの高水準、賃上げ率は過去17年間で最高となるなど、経済の好循環が生まれてきており、デフレ脱却まであと一息というところまできております。
今後も経済の好循環を実現するには、3巡目の賃上げも必要です。自社の賃上げに最大限の努力をしていただくとともに、取引先企業に対しても、仕入れ価格の上昇などを踏まえた価格転嫁をしていただきたいと思います。
また、経済産業省としても、アベノミクス新三本の矢で掲げている「希望を生み出す強い経済」で定められた2020年にGDP600兆円達成という目標に向けて、官民で連携して未来投資を推進していきます。
さて、近年ITは目覚ましいスピードで進展しております。ITの活用目的は、効率化や省力化の枠を越え、製品やサービスの刷新にまで及んでいます。ITを革新的な方法で活用する新規参入者が、一瞬にして既存のビジネスやこれまで市場で大きなシェアを有してきた企業に取って代わるようなことが、身近に起こり得る時代です。このため、ITを積極的に活用し、競争力を強化することが重要です。このような「攻めのIT経営」を促進するため、「攻めのIT経営銘柄」や「攻めのIT経営中小企業百選」などを引き続き実施してまいります。
また、起業の担い手となる独創的なIT人材の発掘や育成、画期的なベンチャービジネス支援にも引き続き取り組みます。
一方、独立行政法人、重要インフラ等の情報セキュリティ対策の拡充や、経営者等を対象としたサイバーセキュリティ経営ガイドラインの周知など、安心安全対策も進めます。国家試験である情報処理技術者試験に関しては、今春から「情報セキュリティマネジメント試験」が新たに始まります。加えて、高度な情報セキュリティ人材に関する資格制度も検討してまいります。専門知識を有する優れた若手人材に対する支援も続けてまいります。
このような斬新なIT利活用、多様なIT人材に対する支援に加え、ITに関する技術戦略を改訂し、産学官連携、府省連携の下、戦略的な研究開発を推進します。
最後になりましたが、コンピュータソフトウェア協会及び会員の皆様にとりまして、この新しい年がより良き年でありますよう心から祈念し、新年のご挨拶とさせていただきます。