「専務のツブヤキ」
~総合経済対策、新しい資本主義実現会議など~
2023年10月15日
SAJ 専務理事 笹岡 賢二郎
9月26日に岸田総理から経済対策の策定について指示が出されましたので、今回は、これをはじめとして色々ツブヤキたいとおいます。今後ですが、おそらく、10月20日前後に臨時国会が召集され、直ぐに補正予算(15兆円前後か?)が審議・成立すると思われます。その後はいつでも衆議院解散かな?という気がしますが、さすがにこれは総理の専権事項ですので私からは控えます。
指示の内容は、報道もされましたが「 適温経済 」という言葉が出ていました。その心は、「長年続いてきた コストカット型の経済から、活発な設備投資や賃上げ、そして、人への投資による経済の好循環を実現 」していくということのようです。具体的には、物価高騰に対する インフレ対策 、省人化投資等の促進など地方や中小・中堅企業の賃上げの環境整備や人手不足対応、生産性向上を通じた 構造的賃上げ実現 に向けた支援、そして、 成長力の強化・高度化に資する国内投資促進 などでした。最後の国内投資促進に関しては「 イノベーションボックス税制 」、半導体や蓄電池をはじめとする 戦略分野の国内投資促進税制の創設 などが検討されており、年末の政府原案の閣議決定に向けて当協会としても大いに期待したいところです。
翌日9月27日には新しい資本主義実現会議が開催されました。その中の資料(新しい資本主義の推進についての重点事項)を見てみると、当協会関連では、
〇減税措置では、国内投資促進について、初期投資コスト及びランニングコストが高いため、民間として事業採算性に乗りにくいが、 特段に国として戦略的に長期投資が不可欠となる投資を選んで、減税制度の創設 を検討
○予算措置では、 AI 用の計算資源や学習データが不足している状況に鑑み、その確保を図るとともに、利用・開発の促進
〇国内企業立地促進のため、 半導体・蓄電池・バイオものづくり・データセンターといった戦略分野を中心とした投資を推進
〇官民連携による科学技術・イノベーションに関し、 量子コンピュータ、量子暗号通信、それらの基盤技術についての研究開発等の推進
〇デジタル田園都市国家構想の実現に関し、 自動運転・ドローン等の社会実装、地域公共交通のリ・デザイン 、地域包括ケアシステムの整備、GIGA スクール構想の推進
などかな、と思われます。
とにかくこれからは、国内投資の促進を官民連携して行っていくことが必要とのことのようです。現に政府は令和4年度補正予算で以下の通り、5千億円前後を中心として多数の基金を創設しており、これにより現在、 クラウドの計算資源の増設に関して、さくらインターネット(135億円) 、ソフトバンク(200億円)、半導体製造に関して、マイクロン(5,510億円)、ラピダス(2,600億円)、新光電気(533億円)、ルネサンス(477億円)、キャノン(333億円)、レゾナック(309億円)、住友電工(300億円)など国内投資で新規案件が目白押しです。
今後は、年末に受け、補正予算及び税制がどう仕上がるか引き続き注視していきたいと思います。
最後に私事(弓道)ですが、9月24日に都民生涯スポーツ大会に新宿代表選手の一人として運よく出場しました。結果は、予選では20射10中で5位以下の敗者復活戦に進めましたが、8位以内には残れず、敗退してしまいました。ただ、今回の試合は映像が以下URLでYouTube公開されていました。
https://youtube.com/playlist?list=PLdqI9ZN2w_dnbDYwG1JZgs5tRN9jZ2w6m
前射場と後射場の二つの画像があるのですが、新宿は前射場の初めから3立目、17分~24分頃(予選の様子)で出場しておりますので、ご興味がある方はご覧いただけます。
ちなみに新宿区5人の三番目(中:四段二人(前)と五段二人(後)に挟まれています)が私(弐段)です。中り、外れの結果は〇×で右下に映像で表示されています。ちなみに一人4射ですが、全部中ると皆中といって皆から拍手されます。この時に私の成績は?まあ、見てのお楽しみということで、、、(^_^;)
(参考)経済産業省の令和4年度補正予算の国内投資支援策(関係部分を抜粋)
<DX>
・先端半導体の国内生産拠点の確保(R4補正 4,500億円)
・ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(R4補正 4,850億円)
<安保>
・経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業(R4補正 9,582億円)
<その他>
・サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助⾦(R4補正等 5,273億円)
・中小企業等事業再構築促進事業(R4補正 5,800億円)
筆者略歴
笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)
1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、機械情報産業局鋳鍛造品課、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(現:一般社団法人ソフトウェア協会)専務理事に就任。