「専務のツブヤキ」
~ 経済産業省の新体制、参議院選挙、安倍氏銃撃事件~
2022年7月15日
SAJ 専務理事 笹岡 賢二郎
7月1日に経済産業省で幹部の異動がありました。商務情報政策局関連では、まず、情報技術利用促進課の武尾課長が電池産業室長専任となり、 新たに内田了司課長が着任 され、私共も7月7日にご挨拶に伺いました。彼は、通商政策局で 国際経済課長として国際的なデータ流通のルール作り(DFFT:Data Free Flow with Trust) をしていましたので、今後国際的な視点も加えて色々とご指導頂けるのではないかと思います。
また、2年にわたりお世話になった松本課長補佐も産業技術環境局の技術政策企画室長に栄転され、後任に安藤尚貴氏が着任されました。また、総務課長も奥家氏(産業政策局総務課長)から西川和見課長(前情報産業課長)に交代しました。 サイバーセキュリティ・情報化審議官も江口純一氏が退職され、以前、情報セキュリティ政策室長だった上村昌博氏に交代 しました。同氏には私がIPAのセキュリティセンター長だった頃お世話になりましたし、九州経済産業局地域経済部長だった頃も長崎県の商工労働部長として赴任しておりましたので懐かしいです。IT導入補助金で大変お世話になった浅野大介サービス政策課長も産業政策局産業資金課長にご栄転され、省内の財政投融資の取りまとめ役となりました。後任のサービス政策課長は金指寿氏で前職は中小企業庁経営支援部経営支援課長でしたので、中小企業対象のIT導入補助金の担当課長としては期待が持てます。
いずれにしても、今回の人事は 経済産業省のデジタル政策の継続性を重視しつつ、経済安全保障も含めた国際的な視点も入れた体制 になったように思えます。
7月10日に参議院選挙が行われ、改選125議席中与党が76議席(自民63、公明13)を取り、選挙後の勢力は全248議席中、改選前は139議席でしたが、 与党が146議席(自民119、公明27)と7議席伸ばすとともに、絶対安定多数も確保 しました。また、憲法改正が発議できる改憲勢力で見ても3分の2を維持しましたので、今後岸田政権は改憲に向けて邁進することでしょう。報道によれば、これから岸田政権は次の参議院選挙まで衆議院を解散しなければ選挙はする必要がなく、 世論を気にせず政権運営が可能な「黄金の3年間」 が始まるそうです。ただ、そうなると 選挙対策で予算の大判振る舞いをする必要がなく なりますので、私的には、IT導入補助金などに逆風にならないか若干心配していましたが、その後報道によれば与党内で 50兆得円規模の経済対策(補正予算)との声が早速上がっている ようで安心しました(^^;)
それにしても、驚いたのは、安倍元総理への銃撃事件でした。67歳で世を去ったご本人は、改憲や拉致問題の解決などまだまだやり残したことがありましたので、さぞ無念だったことでしょう。報道では、奈良県警の警備の不備を指摘しているようですが、治安の良いわが国で警察も「まさか」このようなことが起こるとはと思っていたのでしょう。安倍氏の師匠ともいえる小泉元総理が、「 人生には三つの坂がある。上り坂、下り坂、そして“まさか”という坂だ。 」とよく言っていましたが、その通りだと思った次第です。
安倍晋三元総理大臣のこれまでの功績に敬意を表するとともに、心からご冥福をお祈り申し上げます 。
筆者略歴
笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)
1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(現:一般社団法人ソフトウェア協会)専務理事に就任。