「専務のツブヤキ」
~専務が行く(2)エグゼクティブセミナー@青森~
2019年8月15日
CSAJ 専務理事 笹岡 賢二郎
先月(7月12~13日)はエグゼクティブセミナーで、青森県、弘前大学などを訪問しました。詳細は https://www.csaj.jp/NEWS/committee/kouryu/190712_report.html で公開させて頂いています。今回は全国地域情報産業団体連合会(ANIA)から青森県のIT専門監に転身された武田雅哉様に大変お世話になりました。また、武田様のお陰で、 荻原会長及び水谷筆頭副会長とともに柏木司副知事を表敬訪問 することができました。お茶の代わりに出されたのは、 美味しいリンゴジュース でした。もちろん3人とも残さず頂きました。その場で今年3月に公表したばかりの「 あおもりICT利活用推進プラン 」(2019~2023年)https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kikaku/system/files/02_gaiyo.pdf のご説明を伺うことができました。その際に、六ケ所村にある「青い森クラウドベース」(データーセンター)の話題になり、 東京中心の放射線状の通信網が地方間のデータ連携を不利にしている側面があり、それが是正されれば地方のデーターセンターの利用価値は一層向上 することなどが当方から言及されました。
弘前大学で色々なインプットを受けましたが、一番意外だったのが、大学側の北海道地区志願者数の拡大に向けた取り組みの成果でしょうか、 学生の最大マジョリティーが北海道出身者の4割 だったことでした。どうせ学生が県外に就職するならせめて青森と交流の多い北海道がベターということかな?と推察されました。学生との交流では、当初大学側が用意された席では収まり切れないほど多数の学生が部屋に入ってこられ、 学生さんもIT業界の社長の声が直に聴ける機会ということで関心が高かった 気がしました。我々も大企業とは違った中小企業ならではの魅力を存分に学生さんにご理解頂け、学生・CSAJの双方にとって非常に有意義な場だった思います。今回は交流の時間は1時間弱でしたが、 来年以降も大学への訪問が続くようであれば、次回はもっと長めに時間を取っても良い と感じました。
懇親会では、理工学研究科副研究科長の今井雅教授の隣でした。同教授は、東工大(学部、修士)→東大先端科学技術研究センター(工学博士)、平成24年から弘前大学との経歴です。彼はLSIの設計が専門でしたが、実は私も卒研のテーマが論理回路の故障診断で分野が近く話も弾み、直ぐ懇意になれました。その後、荻原会長他とも懇親を深められ、今回の出会いは双方にとっても非常に有益であったと思います。
翌日は、県内視察でしたが、私的に意外と良かったのは 太宰治(本名:津島修治)記念館「斜陽館」【国の重要文化財】 でした。http://dazai.or.jp/modules/contents/index.php?content_id=15
津軽では津島家といえば大富豪、小作人が300人? 毎年6~9千俵のお米が集まったそうでした。そこは彼の実家でしたが、戦後は旅館「斜陽館」として結構繁盛していたようです。私が知っていた著書は、教科書で読んだ「走れメロス」、なんとなく知っていた「人間失格」くらいでしたので、当初旅館で「斜陽館」?と思ったのですが、彼の著作「斜陽」からとった名前と初めて知りました。ガイドさんから 彼の母親の部屋の掛け軸の文章に著書の「斜陽」の題名になった斜陽という文字が出てくる とのこと、それを実際に見つけた時にはちょっと感動しましたよ(*^_^*) 当初「2時間は長いよ」と思っていましたが、むしろじっくり時間をかけて見たことで満足感が高まった気がしました。
午後から「立佞武多の館」http://www.tachineputa.jp/ に行きました。 高さ23メートル、重さ19トンの立佞武多が3体並んでいると壮観 、上から下へ順次、真近に見ることができ、一見の価値ありという気がしました。ガイドさんによれば、立佞武多は火事で設計図が焼失し、その後一時その姿を消したそうですが、1993年に設計図、写真が発見され、1998年から80年ぶりに地元の熱意で復元したとのことでした。
このコラムを読んで頂いて、「来年は私も参加しようかな」と初参加の方が一人でも増えれば幸いです。
筆者略歴
笹岡 賢二郎(ささおか けんじろう)
1961年生まれ、1983年に通商産業省(現経済産業省)入省、機械情報産業局電気機器課、科学技術庁、資源エネルギー庁、立地公害局、防衛庁、工業技術院、基盤技術研究促進センター、JETROクアラルンプールセンター、文部科学省、四国経済産業局などの勤務を経て、2005年7月より新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2007年7月より九州経済産業局地域経済部長、2009年7月より中小企業基盤整備機構の業務統括役兼総務部長、2011年7月独立行政法人情報処理推進機構の参与兼セキュリティセンター長などを経て、2013年7月から東京工科大学にてコンピュータサイエンス学部 コンピュータサイエンス学科教授、片柳研究所所長、工学部 電気電子工学科 教授兼コーオプセンター長。2016年6月に一般社団法人コンピュータソフトウェア協会専務理事に就任。