「愛と繁栄を実現する経営改革」コロナ対策としてのリスク分散
2020年8月1日
CSAJ 監事 戦略経営コンサルタント 公認会計士 山田隆明
ペストがルネッサンスと宗教改革をもたらした
ペスト後、「神は何もしてくれなかった、無力だ。だから神より人間の自由を」として”ルネッサンス”が芽生え、逆に「神のせいではなく堕落した教会のせいだ。だから本来の聖書の教えに戻るべきだ」として”宗教改革”が起こったとの説があります。
また、スペイン風邪は世界大恐慌をもたらし、その後の第二次世界大戦の引き金になったとの説もあります。
諸説あるものの、”感染症”はこれまで人間社会に大きな変化をもたらしてきました。
今回の「100年に一度の危機(安倍首相)」と言われる”コロナ”も、今後の世の中を変えることでしょう。
コロナ後に世界はどう変わるか
コロナ後に世界はどう変わるでしょうか? 識者の方々の意見を取り上げてみます。
○ 隈研吾氏(建築家):「20世紀の大箱都市から脱却して、自由な空間へ再編成されるだろう。
○ イアン・ブレマー氏(国際政治学者):「10年かけて起きるような変化がわずか1~2年の間に起きる。世界を緊張が覆うことになる。」
○ 伊藤穣一氏(ベンチャーキャピタリスト):「バイオが全ての産業と関わる時代に」
○ 日経クロステック:「職住融合~オフィスと住宅の再発明を~」
リスクへの対策
明日どんな変化が起こってもおかしくない、その変化(=リスク)に備えて対策を準備しておかなければ企業は生き残れない。そのリスクに備えることが大切です。
では、リスクにどう対応するか。
コロナ禍下でも「攻め」ができる企業はよいですが、ほとんどの会社はそうはいきません。
ですから、きちんと「守り」を固めることすなわち「リスクを引き下げる」ことです。
事業構造の偏りによるリスクの場合、リスク引下げの代表的な手段は「リスクを分散させる」ことです。
株式投資では、”一点集中投資”より”分散投資”の方がリスクは低下します。
ルーレットでも、1点賭けよりも複数点に分散させて賭ける方がリスクは低下します。
“不確実性”の世には、ハイリスク・ハイリターンよりも、ローリスク・ローリターンです。
○ 一部の商品に偏っている状況はハイリスク。
1種類で総売上高の30%を超えていれば危険、60%を超えていれば極めて危険。
⇒他商品の売上を増やしてリスク分散を。
○得意先についても同様。
1社に偏っている状況はハイリスク。
総売上高の30%を超えていれば危険、60%を超えていれば極めて危険。
⇒他得意先の売上を増やしてリスク分散を。
○ 外注先・仕入先が1社に偏っている状況はハイリスク。
⇒複数社に分散を。
○ 生産拠点も、1か所に偏っている状況は危険、とりわけ海外1か所は。
⇒生産拠点の分散を。
○ 高い固定費(高い設備費や人件費)に縛られている状況もハイリスク。
⇒外注化などにより変動費化してリスク分散を。
なお、事業構造の偏り以外の場合には、事業の転換を図るなどの方法があります。
直ちに、(1)自社のリスク洗出しを行い、(2)影響を評価し、(3)対策を検討しましょう。そして、(4)その対策を実行しましょう。
(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
わくわく経営株式会社 代表取締役
戦略経営コンサルタント 公認会計士
◆著書出版
・リスクを織り込んだ経営計画の作成方法について、数値例を使って解説した著書を出版しました。
「リスクを乗り切らせた経営計画コンサルティング12のポイント~コロナ第二波に負けない会社作り~」Amazon Kindle出版
https://www.amazon.co.jp/dp/B088ZKVHVR/
お忙しい社長様向けに、40頁程度(9000字、A4フル換算で6枚)にコンパクトにまとめ、20分位で読めるものといたしました。
ぜひご一読し、「コロナを生き残る経営」にお役立てください。
◆個別相談会
○本稿や著書の一般的な話でなく、「個別具体的に相談したい」との経営者向け「個別相談会」を行っております。
○相談内容は、リスク対応の他、業績向上、数字の管理など社長様のお悩み事を承ります。
〇1回1名限定 、初回無料にて対応いたします。
〇日時 : 8月6日(木)16時~、13日(木)16時~、20日(木)16時~、27日(木)16時~
事前にお申込ください。
〇場所 : お申込みの際、いずれかを指定ください。
・リアル相談 :わくわく経営株式会社 研修ルーム
・オンライン相談:テレビ会議方式
→詳しくはこちら。
◆コンサルティング概要
○社長様が「ワクワクして取り組めるビジョン」に取り組み、笑顔にあふれ一体感ある会社へと変貌するお手伝いをいたします。
・(経営計画) 中長期経営計画、短期経営計画、PDCA管理
・(経営戦略)
・(モノ) 新事業・商品戦略、市場戦略、販売戦略、営業改革
・(ヒト) 組織改革(経営戦略達成組織へ)
・(カネ) 破綻回避対策、資金調達、税金対策、管理会計
・(研修講師) 経営計画、管理会計
◆プロフィール
営業時代に「お客様のためなら泥にまみれることもいとわぬ営業マン」と称され、後に「何度も破綻寸前企業改革の修羅場をくぐり抜けた公認会計士」と呼ばれた、『社長様向け「経営改革コンサルタント」』。
・基本スタンス=「『追求すべきは、自己の利益ではなく、お客様の利益』との姿勢で経営すれば、業績は必ず上向く。」
・ミッション=このスタンスを会社に浸透しきるまで徹底的にお伝えする。
「下積みの苦労」を重ね「痛み」の分かる「経営者の相談相手」。
大手IT企業インテックにて10年間飛込み営業を、その後公認会計士試験に合格したものの最初は年齢制限の就職難に遭い苦労。
公認会計士・税理士・ITコーディネータとして25年間約80社の会計・税務・コンサルティング、および「社長様の経営相談」を。
経営改革では、7件の"破綻寸前企業のソフトランディング改革"(会社整理によらず経営改善等により回復させた)の実績あり。
加えて、現在、上場企業、一般社団法人の各社外役員も務める。
○ 2009年9月から一般社団法人コンピュータソフトウェア協会監事
○ わくわく経営株式会社 代表取締役
◆経営コンサルティング内容
・(経営計画) 中長期経営計画、短期経営計画、PDCA管理
・(経営戦略)
・(モノ) 新事業・商品戦略、市場戦略、販売戦略、営業改革
・(ヒト) 組織改革(経営戦略達成組織へ)
・(カネ) 破綻回避対策、資金調達、税金対策、管理会計
・(研修講師) 経営計画、管理会計
URL : https://www.wk2.consulting/
E-mail : yamada.takaaki@wk2.consulting