「愛と繁栄を実現する経営改革」一見もっともだが、顧客は満足しているか?
2020年4月1日
CSAJ 監事 戦略経営コンサルタント 公認会計士 山田隆明
児童カウンセラーOさんは、「何のために仕事をしているのですか」との問いに対して、
「立ち直ってくれた子供の笑顔を見るのが楽しみだから」とお答えになっています。
じっさい、関わった子供たちが大きくなると、お礼の手紙や土産物を届けてくれるそうです。
小売業コンサルタントKさんからは、「クライアントの成功する姿が見たい」「そのお手伝いができることが楽しい」とのお答えです。
彼もクライアントから厚い信頼を得ておられます。
外食チェーンP社は、原価率が高いのが”売り”だそうで、「原価率を店頭表示」しています。
他社は原価率30%なのに、当社は40%と高い食材を使っていますよ。
原価の高いものを安くご提供することで、顧客満足を実践していますよと。
みなさんはこのやり方をどう思いますか?
これは一見もっともらしいですが、何か違和感を感じます。
なぜなら、すかいらーく創業者の横川竟氏も指摘するように、「アピールは”商品で”すべき」だからです。
ご提供する料理や店の居心地などの”商品”が、顧客の要求にマッチすることを、実際にご来店いただき実感していただくことです。
そうしてこそ「中身を伴った顧客満足」です。
P社はさらに、「社長自身で旨いと思ったものをお客様にも召し上がっていただく」との方針です。
この方針はどうでしょうか?
たしかに、社長の味覚が顧客のものと同じならそれでよいでしょう。
しかし、同じという保証はありません。
また、最初は同じでも、いつまでも同じままという保証もありません。
今日、各社が「顧客満足」を謳っています。
しかし、「中身を伴った顧客満足」はわずかで、ほとんどは「形式だけの顧客満足」です。
だからOさんやKさんのような例外が目立つのでしょう。
両者の違いは影響大です。
「形式だけ」でも、高度成長、バブル、○○ブームなどの追い風の時はうまくいくでしょう。
しかし「△△ショック」までは乗り切れません。
(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
わくわく経営株式会社 代表取締役
戦略経営コンサルタント 公認会計士
「社長様のビジョンを笑顔に変えるパートナー」。
◆コンサルティング概要
- 社長様が「ワクワクして取り組めるビジョン」に取り組み、笑顔にあふれ一体感ある会社へと変えるお手伝い。
- まず、社長様に「ワクワクして取り組めるビジョン」を語っていただきます。
- 社員の方とビジョンを共有し、一体感を作り上げます。
- 遡って今やるべきことを考えます。
成果物を経営戦略としてまとめ、さらに数字化して経営計画を立てます。
◆プロフィール
営業時代に「お客様のためなら泥にまみれることもいとわぬ営業マン」と称され、後に「何度も破綻寸前企業改革の修羅場をくぐり抜けた公認会計士」と呼ばれた、『社長様向け「経営改革コンサルタント」』。
- 基本スタンス=「『追求すべきは、自己の利益ではなく、お客様の利益』との姿勢で経営すれば、業績は必ず上向く。」
- ミッション=このスタンスを会社に浸透しきるまで徹底的にお伝えする。
「下積みの苦労」を重ね「痛み」の分かる「経営者の相談相手」。
大手IT企業インテックにて10年間飛込み営業を、その後公認会計士試験に合格したものの最初は年齢制限の就職難に遭い苦労。
公認会計士・税理士・ITコーディネータとして25年間約80社の会計・税務・コンサルティング、および「社長様の経営相談」を。
経営改革では、7件の"破綻寸前企業のソフトランディング改革"(会社整理によらず経営改善等により回復させた)の実績あり。
加えて、現在、上場企業2社、一般社団法人1法人、学校法人1法人の社外役員を務める。
令和元年、AIPA認定AI・IoTシニアコンサルタント資格取得、JDLAのG検定合格。
- 2009年9月から一般社団法人コンピュータソフトウェア協会監事。
- わくわく経営株式会社 代表取締役
◆経営コンサルティング内容
(経営計画) 中長期経営計画、短期経営計画、PDCA管理
(経営戦略)
- (モノ) 新事業・商品戦略、市場戦略、販売戦略、営業改革
- (ヒト) 組織改革(経営戦略達成組織へ)
- (カネ) 破綻回避対策、資金調達、税金対策、管理会計
- (研修講師) 経営計画、管理会計
URL : https://www.wk2.consulting/
E-mail : yamada.takaaki@wk2.consulting