「愛と繁栄を実現する経営改革」自分の商品は自分で売れ!

2017年6月1日

CSAJ 監事 公認会計士・税理士・ITコーディネータ 山田隆明

 自分の商品は必ず自分で売らなければならない。要は他力本願ではダメだ。
理由は簡単、他力本願では相手に足元を見られ、自分の立場が悪くなるからだ。
 これは一見当たり前のようだが、しばしば勘違いされている。ここを勘違いすると業績が上向かないどころか、下手をすると命取りにもなりかねない。
日用雑貨品製造業のC社は、卸売業者による販売網がしっかりしているから、自社で営業などしなくても売れると思っており、付き合いのある卸売業者数が2000社もあることを自慢している。
しかし小売店へ行ってもC社製品にはなかなかお目にかからない。
経営コンサルタントのY氏は、自分のコンサルティングの仕事を、自分で売らずに他人に売ってもらうことばかり考えている。
たしかにセミナー講師や執筆などの依頼は来るものの、肝心のコンサルティングの依頼はいっこうに来ない。
 C社の誤りは、自分は良いものを作っているのだから、黙っていても卸売業者が積極的に売ってくれるものと勘違いしていることである。まさに完全な他力本願だ。
だから売り方を工夫するようなことは全くしない。その結果、自分で良い商品だと思い込んでいるだけで、実際には売れる商品になっていない。これでは売れない。
卸売業者も商売だ、売れない商品を積極的には売ることはしない。ここを分かっていないのである。
 コンサルタントY氏の誤りは、他人に売らせることが「効率的だ」として、セミナー講師や雑誌執筆などで「露出」してさえいれば他人が売ってくれるものと勘違いしていることだ。こんなのは効率云々ではない、単に面倒がっているだけだ。
ただでさえ、コンサルタントという職種は商品を見込客に伝えるのが難しい。顧客からすれば「このコンサルタントは自分のために何をしてくれるのか?」、そして「他のコンサルタントとどこが違うのか?」が分かりづらい。だからこそ、なおさら自分で努力して伝え方を創造することが大切だ。にもかかわらず面倒がって怠っている。これでは伝わるわけがない。結果的に、セミナー業者や雑誌出版社などに利用されているだけだ。
 繰り返しになるが、正しくは自分で「お客様の声」を訊いたうえで、自分で「売り方」を考え、実際に自分の手で売ることである。これに全社的に取り組むことが「販売戦略」だ。また、これが本当の「お客様第一」の姿勢だ。
ただし、売りたがっている業者に売ってもらうのは構わない。しかし、あくまで自分の手で売れるようになった後の話だ。
この基本姿勢を誤ると、上述した二者のように、いくら努力しても一向に成果は上がらない。


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(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ

山田 隆明Twitter

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業 。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田経営会計事務所開業、現在に至る。
---税務だけでなく、経営判断のための会計、人をヤル気にする会計を。
2009年9月から一般社団法人コンピュータソフトウェア協会監事。

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