「愛と繁栄を実現する経営改革」何を売るか~商品構成と経営資源配分のミスマッチ~
2017年2月1日
CSAJ 監事 公認会計士・税理士・ITコーディネータ 山田隆明
「お客様の目線に立つこと」は営業の基本である。
先日、出版社から本のDMが届いたので、購入しようと思い、郵便で送ってもらおうとしたが価格表に送料の記載がない。問い合わせると、「インターネットのショッピングサイトの方には記載がありますから」との返事。紙の価格表に記載がなければ、顧客の方からネットを見て探してくれるものと思い込んでいる。これがダメなのである。顧客はそんな面倒なことはしない。自分が顧客の立場になって考えてみればすぐにわかることだ。ちょっとしたことだがこのために大いに販売の機会を逸していることだろう。この会社の業績が悪いのは、本当の意味でのお客様目線に立っていないためである。
他にも、入会方法の記載のない勉強会の紹介パンフレットなど同様の事例を挙げれば枚挙に暇がない。いずれも、こちらからしなくても顧客の方からやってくれるものとの思い込みだ。品質に自信のある会社に限ってこの傾向が強い。良いモノを提供しているのだから、買いに来てくれるはずだと。だが、顧客はこういう気の利かないところからは買わない。自分の要求に応えていないからだ。そうではなく、「痒いところに手が届く、気の利いたところ」から買う。
ただ、気が利かないとはいえ、態度までも高圧的な会社とは限らない。むしろ腰が低くお客さん思いのところが多い。単に本当の意味のお客様目線がどういうことかに気付いていないだけだ。
とはいえ、この「気づき」に達することはけっこう難しい。
こういう私も営業を始めたころには気付いていなかった。自分は一生懸命にやっているのにお客さんはいっこうに買ってくれない。なぜ買ってくれないか自分にはさっぱり分からない。しだいに、買ってくれないのはお客さんがワガママだからだと思い込んでくる。
しかしやっているうちに、お客さんから教わって分かってきた、「ワガママなのは実は自分の方だった」ことを。
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(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。
筆者略歴
山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ
1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業 。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田経営会計事務所開業、現在に至る。
---税務だけでなく、経営判断のための会計、人をヤル気にする会計を。
2009年9月から一般社団法人コンピュータソフトウェア協会監事。