「愛と繁栄を実現する経営改革」何を売るか~商品構成と経営資源配分のミスマッチ~

2017年1月1日

CSAJ 監事 公認会計士・税理士・ITコーディネータ 山田隆明

 当たり前で恐縮だが、「業績の良い会社は、必ず良い得意先を持っている。」
つまり、良い得意先と付き合えばこちらも良い会社になり、悪い得意先ならこちらも悪くなる。まさに、「朱に交われば赤くなる」である。
 良い得意先とは、平たく言えば「儲かっている会社」と言ってもよいだろう。
相手が儲かっているところなら付き合いも長続きするが、儲かっていない会社では長く付き合うのは難しい。
 こう言うと、「そんな当たり前のことは言われなくても分かってるよ」と反論されるが、実態は必ずしもそうではない。悪い得意先ばかり抱えて苦戦している会社がいかに多いことか。それでいて悪い得意先を切る努力をしないところが。
余談であるが、当事務所は「医者を必要とするのは病気の人だ」などと偉そうなことを言っては、資金繰りに困っている会社などを優先的に診てきた。だからおカネはいっこうに増えない。分かってはいるものの、まことに損な性分である。

 良い得意先を持つには二つある。
 一つは、良い得意先を増やす戦略を立て計画的に攻めることである。
ターゲットを定め、先方の要求をしっかりと把握し、的確な提案を行うこと、すなわち「会社としての販売戦略」を持って攻めることである。
戦略なき「成り行きスタイル(向こうから話が来るのを待つだけのスタイル)」のままでは、来るのは残りモノの悪い得意先ばかりだ。良い得意先は先に戦略あるライバルたちに押さえられてしまうからである。
 もう一つは、危ない得意先を早く切ることである。
下手に遠慮して切らずにいると、場合によっては破綻の「巻き添え」を食う惧れもある。
危険の予兆を見つけるには、当たり前だが相手をウオッチすることだ。情報源には、決算書・興信所情報、新聞雑誌の記事などいろいろある。
中でもとりわけ重要なのは、社長の得意先訪問である。相手の社長と膝を突き合わせてナマの話を聞くことが、正しい情報を得る最善の方法である。またたびたび面会を重ねることで相手と良い関係になる。そうなれば、先日のトヨタといすずのように、いざという時に助け合える関係を構築できる。
さらに「相手の利益を第一に考える」姿勢をもって接すればなおさらである。得意先もそういう相手を求めているのだから、よりいっそう信頼関係が増すことは間違いない。


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(注)本コラムの内容は筆者個人の見解に基づいており、当協会の見解を示すものではありません。

筆者略歴

山田 隆明(やまだ たかあき)
山田隆明公認会計士事務所 所長
公認会計士・税理士・ITコーディネータ

山田 隆明Twitter

1959年 名古屋市生まれ。東海高校、慶応義塾大学経済学部卒業 。
株式会社インテック(基幹業務パッケージソフトの企画及び販売)、
監査法人(会計監査)を経て、
2003年 山田経営会計事務所開業、現在に至る。
---税務だけでなく、経営判断のための会計、人をヤル気にする会計を。
2009年9月から一般社団法人コンピュータソフトウェア協会監事。

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